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島の最終処分場建設に関しての私見・その2
島の最終処分場建設問題では、このコラムでも何回か取り上げてきた。
しかし、この問題は中々判り難い上に、誤った情報も交錯し、島民の中で十分な理解を得ていないだろう。そこで、その問題を判り易く解いてみたい。

以前から、この環境コラムで述べているが、島の末吉地区にある水海山に建設することには「水海山の緑と水を守る会」の皆さんを始め、多くの反対の意見がある。
それは。熟成した環境社会を構築する上では、こう云った環境に対する住民運動から、意見交換され環境意識が大いに啓蒙されていく。それは良いことである。

そして、毎回のように述べているが、地域住民に対して、行政側は(この最終処分場建設を推進する側)十分な説明責任がある。
更に双方が、現状の環境リスク、最終処分場の無いリスク、、そして建設に懸るリスク、最終処分場が存在するリスク、それに加え、地球、環太平洋、日本列島、そして島の将来を見据えたグローバルな環境思想、それら全てを鑑みてコミュニケーションを計らなければならないのだ。

もし、このコミュニケーション(化学物質のリスクコミュニケーション)が適切に成されないとなれば、「現実のリスクの大きさ」と、住民らの「認知するリスクの大きさ」との間に大きなギャップが生じる。
それは、その問題を必要以上に大きなものとして捉えられる事態になる。

2006年の国際化学物質会議(ICCM)の「国際的な化学物質管理の為の戦略的アプローチ計画では「リスクコミュニケーションに一連の防止的な戦略、教育意識の向上を含むべき」「PRTR(有害化学物質からの情報を、周知、管理する法)から、公衆を不当に不安に感じさせる事無く、時期を得た正確な方法でリスクコミュニケーションを実施されるべき」と記され、国際的にも市民の安心感を熟成させるリスクコミュニケーション手法が検討課題になっている。
要するに、この最終処分場の建設問題では、住民側がメディア等から得る環境情報に対して、行政側が十分な説明をし、その不安を取り除く知識及び行動が必要と云う事になるのだ。

私が会員になっている、環境情報科学センター(CEIS)の刊行誌 39-2 2010 の巻頭で、明治大学教授の北野大氏が述べているリスクコミュニケーションの勧めで、安全と安心の構築を挙げている。
そして、その安全と安心は、どのように異なるか?を述べている。
「安全とは人への危害または損傷の可能性が、許容可能な水準に抑得られている状態」それは、技術導入からそれを起因とする死亡のリスクを10-3より大きければ許容されない。また、10-7以下であれば許容される。10-3と10-7の間では、リスクと費用便宜分析によって社会で意思決定する必要があると述べている。
ちなみに交通事故による年間死亡率は4×10-5程度である。発がん性の化学物質の場合は10-7以下に管理されている。要するに、安全は学術的に数値などで評価されるものなのだ。一方で安心とは、その人の知識や経験から予測であり、何かあっても受容できる状態である。
難しい言い回しになるが、「安全は、その時点時点での科学技術による裏付けられた客観的なもの」であり「安心は自らの理解に基づく主観的なもの」である。
そして、リスクコミュニケーションとは環境問題の中で、行政(建設推進側)から見る安全と、地域住民側(反対運動側)の安心を橋渡しする事なのだ。


此処からは、全くの私見として個人的な意見を述べたい。

まず、環境リスクに関するメディア情報だが、島民の中の情報は、そのほとんどがメディアからの情報である。
そして、今回の水海山建設に関する環境リスク情報も例外ではなく、そのメディアからの影響は決して小さくはない。しかし、この環境学の分野で、メディアは学術的専門家ではない。
情報ソースを大衆に提供するジャーナリストであり、それは主観を伴う事も多い。
では、環境リスクに関する報道の特性だが、アメリカのラトガーズ大学Sundmanは報道に見られる原則を7つあげている。

1、 環境リスクに関する報道量は健康影響の大小ではなく、適時性や人々の関心等、従来のジャーナリスティックな基準に関係している。
2、 此処の報道に関する限り報道の多くはリスクに関するものではなく責任主体への非難、不安、激怒など専門的ではないものでしめられている。
3、 ニュースが提供するリスク関連の専門的な情報は、逆に情報受け手に生じるようなリスクがあっても、ほとんどはそれを取り上げていない。
4、 リスクに関する報道は、リスクに関して人々を安心させたり、その中間的な内容の報道に比べ、リスクを警告する内容の方が一般的である。
5、 どのような情報が警告を与え安心を与えるのかは、情報の内容と共に情報を受け取る側の捉え方に左右される。
6、 報道記者は、公式な情報源を著しく信用し、また、より極端な意見を持つ情報源を利用する。
7、 安心を与えるような情報源を求める事を困難にする原因は、ジャーナリズムにおける競争と共にメディア側の専門性にも問題がある。

ようするに、報道におけるメディア情報は、その影響力は大きいが、決して専門的なものではなく、逆に、化学、生物学、環境学の専門的な学者の意見は総じて専門的で学術的な裏付けによるものである。
ただし、数学や物理学のように数値で割り切れるものではない為に、100パーセントの確信は無い。双方に絶対と云う事は無いのだ。
そのことを理解したうえで、行政側から見る安全と住民側の求める安心を考えなければならない。

やはり、島におけるこう云った最終処分場建設の問題は、水海山という用地選定の是非だけではなく、島で大量に焼却場から排出される化学物質や一般に破棄されているプラスチック等の廃材、また汚泥処理等、一刻も争う環境問題も含めて論議されるべきだ。

つい先日開催され、環境副大臣が出席されたCOP10プレカンファレンスは(国際間の生物多様性問題)、ポスト2010年目標の設定,国際的な議論の進捗に参画貢献。2050年までに現状以上に生物多様性を豊かなものにするという目標案を提出した。
国連食糧農業機関(FAO)はCO2放出等で、現在のままだと海の酸性化から生態系破壊が進みむと、マグロ、カツオなどの大型回遊性魚が壊滅的打撃を受ける。また2050年までには地球生物の4分の1が絶滅する恐れがあるとの報告をした。
そんな国際間の学術的警告の中で、国の環境問題への取り組みである。それは、多くの環境科学者、生物学者、などが参画し勧められてきた国の環境事業であり、それに含まれるのが最終処分場や汚泥処理場建設であるはずだ。
だからこそ、水海山に建設を進める行政側と地域住民、また反対運動を推進する「水海山の緑と水を守る会」の代表者、そしてこの件を問題視するメディア、4者を交え、島を超えたグローバルな論議を尽くすべきだ。
そして、一刻も争う島の化学物質を含めたゴミ処理と海洋環境問題が底辺にある事を認識したうえで、熟考したリスクコミニュケーションを計らなければならないだろう。
何回も言うが、島の最終処分場を水海山に建設する問題では、賛成、反対意見が論理的に説明されていない。その争点が見えないのだ。

急がなければならないのは、ゴミ焼却場の耐用年数が限界に来ていて、そこに残存する多くの有害な焼却灰が処理しきれなくなる問題。
我が家近くの空地にも、勝手に分解された有害物質の含まれる家電や、車などが当たり前で放置されている。そんな状態になっている。
更に、民間の処分場でも、電化製品、車、更に薬品、農薬、塗料などの入った空き缶など、処理しきれずに野積みされた状態を見る事が出来る(それらの危険な化学物質は、長い間風雨に曝され、我々の海に流出している)。
他にも、島に直接的な環境負荷を与え、早期に解決しなければならない問題が山積みのような気がしている。

そこで的確とは言えないかも知れないが、この最終処分場建設問題を、最近のエサ不足から住宅近郊に現れ、人を襲う危険な熊に例える。
それは、危険な化学物質を野放しの熊に例え、処分場はそれを捕獲し囲う檻と考えると判り易いだろう。

まず、問題の争点が、危険な熊は放っておいて、その檻が破れ、再び熊が逃げる危険性や、その檻の安全性を争点にしている事。そして、その檻の置き場所を問題にしていることだ。
しかし、よく考えると判ることだが、一刻を争い熊を捕獲し危険を取り除く事が先決であろう。住民の安全を考えるのであれば、まず檻を設置し檻に入れる事を問題にすべきで、檻の安全性や設置場所だけを問うのでは、その争点が違う。その危険をとり除く手段を考え、その上で檻の安全性を話し合い、一緒になって監視し、安全を維持する意思を持つ事だろう。

もう一度述べるが、設置場所が水海山と決まったことから、「檻が危険だ」「安全ではない」、そんな話しが先行してしまうのは論理的でない。
檻(処分場)が危険と云うのであれば、行政、住民が一緒になって将来に渡って監視するシステム構築を考える。それも住民の責任だ。
設置場所に問題があると云うのであれば、果たして何処に設置すべきか、一緒になって考える。それが官民一体となった環境姿勢のはずだ。
ただ反対するだけではなく、前向きな意見を出し、一緒に考える事で島の環境将来が見えてくるだろう。狭い島である。意見の食い違いよって価値や人格の判断が成されたり、政争の具になってはならないし、そこで意見交換が止まってはいけない。

大事なのは、何に反対なのか?、どういう事なら受け入れられるのか?、物事を論理的に判断し、争点を見え易くする事だ。
その上で、行政、住民、反対運動を主導する方々、メディア、の4者によって、「あくまでも解決を目指す」と云うポジテブな意見交換を重ねる。
その事から、より良い解決が見出されると思っている。

確りと、リスクコミュニケーションが成される。そして、施設に対しては、住民の確りした監視体制を確立させ、豊かな自然環境の島を目指す。島民が、真に胸の張れる八丈島を築き上げた時に、日本中が島の環境姿勢を大きく評価するのではないだろうか。




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| パパズインの環境姿勢 | 04:39 PM | comments (x) | trackback (x) |
島の最終処分場建設に対する私見
このコラムの環境意見と島の環境問題に興味を持ち、水海山の最終処分場建設に興味があると言う方から、最近更新がないと云うメールを頂いたので、少しばかり意見を述べます。

この水海山の処分場問題は、私個人としては少々発言することに難しさを感じています。それは、島と云う狭い社会の中では、どうも建設に対しての賛成、反対、と云う2つの意見だけに集約されてしまい、私のように最終処分場の問題点を考えながら、なお且つ反対意見に対しても意見の偏りを指摘するのは、どうもイソップ物語のコウモリ的な感じに受け取られ兼ねない気がするからです。
しかし、島の町議選が近くなって来たせいもあるでしょうか、この水海山に建設予定の最終処分場に対して、再び見直しの論議が、その争点となっているようです。
確かに、最初から建設ありきで話が進んでしまうのも問題ですが、島の自然環境とこの問題を一括りにし、それだけで反対するのもどうかと云う思いもあります。
島の環境未来を、この問題とリンクするのであれば、それは海洋環境を含めた地球全ての環境を見据えなければならない。すなわち水海山の水環境は島全体も水環境であり、それは日本、地球全体、そしてグローバルな世界の環境につながる話になります。
管理型処分場と云うのは、低濃度の有害物質と生活環境で発生する濁物質、大部分の廃棄物に対し、その安定化を図るものです。その為の事業であって、それは環境立国として地球全体の環境を視野に入れ、あくまでも減容化、安定化、無機化、無害化を行うことです。
安定化の達成を主要目的にした最終処分場建設の、日本の技術水準は、世界有数のものと言う学者もいます。それは確かにかチッソ、水俣病等、過去の不幸な環境汚染が大きな経験として、社会や政治の環境姿勢、そしてそれらの処理技術が熟成しきたこともあります。
それに、これだけモノを消費する中で、身近に氾濫する化学物質。例えば、食品を乗せる発泡のトレイ。パッケージに欠かせないラップ。洗剤。次々と買い換える携帯電話やテレビ、パソコン、等など。身近に氾濫させ、それらに埋没する生活をしている訳ですから、それらゴミの減量努力はあったとしても、数十年前の自然環境に戻る事など不可能です(現実で焼却場施設の残余年数も逼迫しているのです)。
その事を踏まえた上での環境論議ですから、それは以前も述べたが、大事なのはリスクコミュニケーションです。話し合う事、意見交換が大事で、自分の意見だけを一方的に主張し聞く耳もたないでは、この話は進展しません。

更に、物事の争点をはっきりさせる事も大事です。それは、例えば最終処分場を建設する事に(処分場そのもの)反対なのか、それとも処分場の存在価値を認めるが水海山と云う場所に建設する事が反対なのか、その争点がみえないと、まるで違う主張になってしまうでしょう。水海山に建設する事に反対なのであれば、当然に代替え地等に対しての意見も示すべきです。

島で最も多く読まれる新聞の南海タイムスに『処分場とゴミ問題・専門家3氏が講演』で監視体制の問題点や汚水漏れの事例などが書かれていました。それは、其々に勉強された意見を述べる事に異論はありませんが、しかし、これも「水海山の緑水を守る会」と云う反対運動をされている方々の主催で公演された人達でしょうか、それは反対運動の専門家であっても、決して最終処分場の専門家ではない筈です。
それであれば、この最終処分場の必要性を説く側の専門家の意見や、この最終処分場建設を推進する学識経験者の意見も併記してこそ、リスクコミュニケーションが成されると言えるのではないでしょうか。
また、行政側(一組)も建設予定地が決まった事での住民説明会を数か月に1回ペース、地区ごとに開くだけでは不十分だと思うのですが。それは住民に対し親身になり、一体となった、納得の出来る調査内容をと示すべきです。そして、それは当然に信頼できるものでなければなりません。その為の費用、時間、労力こそ惜しむべきではないと云うのが私の意見です。


以上の事も踏まえ、この最終処分場建設反対運動や訴訟事例などから、改めて問題点を述べます。


まず、現代の社会活動に最終処分場は不可欠と云うのが私の意見です。
ただ、それは直接的な経済的メリットをもたらすものではない為に、住民に対して、説明、説得が行き届いていない現状あると思っています。
例えば、残余容量、残余年数ですが(処分場の残り受け入れ能力を、容積・年数で表したもの)分別・リサイクルの普及などによって最終処分量が減少しているため、逆に年数は微増傾向にあると云う事です。それでも、規制の強化と住民の反対運動で新規施設の建設が危機的になって、そんな根本的な説明が、あまりされていないようです。行政も(役所の人も島民ですから)本音は地域住民に恨まれては、といった気持でしょうか。
さらに、人口密集地や処分場を持たない地区では、ゴミを他方にツケ回す構図があるので、そのことも大きな問題となっています(八丈島の場合も現状は大島の処分場に回っている)。
個人や会社管理の安定型処分場は腐敗性の廃棄物が違法に持ち込まれたり、管理型施設での浸出水処理が不十分で、有害物質が公共水域へ漏出する問題が多いです(島にも産廃や未処理の廃棄電化製品、プラスチックゴミ等を野済みしているところは数か所あります)。また、民間管理ですから、その経営状態によっては費用のかかる有害物質は全く適正に処理されていない事が多いです。それは、責任を追及できない場合も多く、結局は深刻な環境汚染につながっていくのです(その方が見過ごせない環境汚染で、その是正には一刻も争うのですが、コチラの方はあまり問題視されてないようです)。

それでは、地域住民と最終処分場建設の妥協点はあるのでしょうか?。最終処分場建設に係わる訴訟で、遮水シートの破損や劣化により地下水の汚染、更に飲料水源、農業用水なの汚染からの健康被害や人格権侵害を訴える仮差し止め訴訟は数例ありますが、結局は住民側の具体的な被害や主張や疎明が出来ず、住民側敗訴の決定がなされる例がほとんどです。
しかし、地域住民の立場としては、各所に起きる反対運動の根底には「何で自分たちの近くに、そんなものを作るのか」という意識が強く、自分たちの住んでいる自然環境を守り、将来に渡って”負の遺産”を持ちたくないと云う事と、建設による健康被害、更に環境権、人格権の侵害、その事が反対意見に繋がっているのでしょう。
行政は、ゴミ処分場の残余年数も逼迫しており、構造基準や技術基準が法の規定に準じていれば計画を認可します。勿論、地域住民の同意が前提条件ですが、社会的貢献を考えて同意する人も少なくないでしょう。 
それと、近くに処分場ができる事での、収集・運搬、管理等、関連業種が事業展開出来る。これらの立場の人たちが絡み合い、且つそれらに利害もが発生するので、なかなかバランスのとれた判断が難しくなるのが現状です(言い難い事ですが)。

建設差し止め訴訟が起きるケースですが、その争点は、“事故の急迫” “生命や身体に著しい害を及ぼす”“遮水シートの問題““維持管理体制が不十分”“経済的基盤が脆弱”の5点がほとんででしょう。
しかし、訴訟が起きたケースの何れの裁判でも、持続可能な社会の構築に向け、最終処分場は必要な施設であることを認めている。そして処分場建設のリスクだけではなく、埋立て開発事業による社会貢献も考え、また廃棄物処理や中間処理による不法投棄などが減ることの社会的利益も評価されています。
遮水シートの破損、劣化により浸出水の地下水への混入の可能性は認めているが、法の基準を遵守し、計画通り建設され、機能が十分発揮されれば、有害物質の流出の具体的可能性は少なく最終処分場の安全性は確保出来ると認めているのです。

それぞれの立場で利害が絡んでいる以上、最終処分場建設の賛成、反対意見は妥協点は見つけ難いでしょうか。しかし、最低限法の基準を遵守し、現在考えられる最高の技術基準を採用、建設工事だけではなく維持管理も計画どおり実施されていることを、行政、住民、相互に監視する体制を作り「より信頼性のある最終処分場の構築」を共に目指していくことこそ最良です。その実績を積み上げていくことしか方法はないと、私は考えます。
  
島でも不法投棄量が少なくはない筈です。且つ民間の処理場の不十分な処理により、自然がすでに大きく損なわれているのが実情です。住民はその事に気付き、早くこの動きを止め、将来にわたって”大きな負の遺産”を抱えることを危惧し、阻止していかなければならないでしょう。
もうひとつ付け加えると、この最終処分場の建設事業は、八丈島だけではなく各所で既に始まっています。その事を考えると、あたら係争を続けるだけで、自然が壊される現状を回復出来るかどうか?考えれば判る事です、。
工事が開始され、中途で止めるよりは、完成させた方が安全という意見もあります。そして、信頼性の高い処分場であれば、むしろ将来にわたって有意義な施設になるはず。
私は、水海山に建設する事が最良の方法とは決して思っていません。しかし、大切なことは、事業者、住民が一体になって「より安全な処分場」の建設を目指すことです。
最も安全な技術を採用し、施行、埋立て物の厳重な管理と注意深い処分場の維持管理、浸出水量抑制策に加え、地域住民と一体になった監視システムを構築することで、むしろより良い島の環境が見えてくるのではないでしょうか。


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| パパズインの環境姿勢 | 06:16 PM | comments (x) | trackback (x) |
海底清掃から見えるもの
12月14日に、八丈小島の一の根を海底清掃した。

これは毎年、パパズインとダイビング事業者のボランティアで行っている。

今年は、島の安全ガイドと環境保全を目指した団体、『八丈島の海を安全ガイドする会』を設立したこともあって、これからも積極的に島の観光面での安全ガイドと環境考えていきたい。

今回の海底清掃は、その予定した14日は冬型の気圧配置で北風が強かった。

その上、大潮周りの前であるから、一の根あたりの潮流は物凄く早い。船長の山下君と(波太郎丸)話し合ったうえで、参加ダイバーの安全を考え30分だけの清掃になった。

そのせいか収集されたゴミは、例年になく少ない。


ただ、そのゴミを見ると、最近の釣り人の環境に対する意識が覗けるのだ。

それは、参加ダイバーが口を揃えていうのだが、この2~3年で驚くほどゴミの量が減ったと言うことだ。これは、明らかに環境への意識変化であろうか。


この意識変化は、特別に釣り人だけが変わって来たわけではない。社会全体で、環境への意識変化が起きていることになる。

それは、1997年の京都議定書(COP3)から、その後の温室効果ガスの25パーセント削減宣言、コペンハーゲンで開催中の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)など、世界の中での日本政府の取り組みが社会にも浸透してきているからだろう。

高々、釣りのゴミの話が環境国際会議に及ぶのは、いささか大げさかもしれないが、しかしこんな末端に起きていることが環境なのだ。


私は世界中を釣り歩く。だからこそ、自然環境の大切さが理解できる。

日本の南の島やマリアナ諸島では韓国や中国製のゴミの多さに驚く。しかし、ハワイやミッドウェーなどの太平洋諸島やアメリカ西海岸などでは、それ以上に日本の漂着ゴミが流れ着き、アホウドリなどの野生動物を殺傷する一因なったと言われる。

南の島々の海面隆起や、中国南部沿岸の海洋汚染。どれをとっても、ゴミ問題が世界中でリンクするように、環境問題全てが、先進国、後発国、世界中でリンクしていることを感じる。それは私だけではなく、多くの報道から国民全体にも意識として、間違いなく広がっているだろう。


多くの企業は環境姿勢を示し、その対策を無くして成り立たなくなっている。景気低迷を言われる昨今だが、そのギリギリのラインで試行錯誤しながら環境を意識する。そして、我々の日々の生活が否応なしにその影響下にあるだろう。

そこから、知らず知らずに環境配慮が芽生えることで、社会全体の環境に対する意識が熟成してくるだろう。

そんな企業の一部かもしれないが、釣り道具を作る企業やメーカーも環境に配慮した製品作りが成される。

毒性が強く環境負荷の大きい鉛製品に代わって鉄製のオモリ、鉛のルアーに代わって鉄のルアー、化学製品のビニールから作られるワームは成分解する素材に。多くの製品に環境配慮が成されてくる。

釣り道具の製造方法、塗料、パッケージから、製品そのもののマテリアルまで配慮されてきているのだ(まだまだ牛歩のような歩みではあるが)。

そんな環境意識が釣り人にも反映される。それは釣りというレジャー自体が大きな環境負荷を生むものであるだけに(絶対に、釣りはエコロジーではない)、企業もその販売する道具の使い方や、破棄する場合の環境リスクを謳い上げる。それは、釣り人のマナーとして定着してきているのだ。

まだまだ足らないい部分もあるが(鉛フリーなどが進む家電メーカーの進化に比べるとだが)、そういった社会から見える『ゆとり』みたいなものが、釣りの先進国であるヨーロッパや、私が釣りに行く、韓国、中国、南の島、その国々によって、其々の熟成の度合いとして違って見えることになるのだろうか。

勿論、国内の釣りにおいても同じことが言える。

島の釣りでも、イカシーズンの防波堤のゴミなどを見ると、島外から来る釣り人よりも遥かに島お釣り人の方が無神経にゴミなどを投棄しているような気がする。こんなところに、その地域の環境に対する意識が覗けるのだ。

島でも、昨今は処分場建設問題などで環境論議が起こっている。そのことなどで、島民の環境意識が高くなり、より熟成されると嬉しいのだが・・・・。


話はそれたが、この海底清掃では近年使われるようになった新しい釣り道具(新素材のラインやインチク、鉄のオモリなど)が多くみられた。

その分、昔は信じられないぐらい多かった石鯛のオモリなどは少なくなっている。これも道具や釣り方の変化もあるが、明らかに意識の変化であろうか(鉛のオモリを捨てると言うことに害悪感を持つようになってきた)。

ゴミを見るとその社会が見えると言う。確かに、釣りのゴミでも、その道具の変遷は勿論だが、メーカー、企業、釣り人の意識変化が覗ける。


私は、この海底清掃の活動を通して、少しでも環境に対しての啓蒙になれば嬉しい。

そして、口幅ったい言い方だが、この『八丈島の海の安全ガイドする会』の活動を通して、私の考え方と将来を見据えた環境意識を、島の若い人たちに伝えたいと思っている。

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| パパズインの環境姿勢 | 05:07 AM | comments (x) | trackback (x) |
不快害虫が怖いか、海洋汚染が怖いか?。
島でヤスデが大発生である。

溶岩質の島で、我が家は木造とコンクリートのコンビになっている建物だ。
それはヤスデにも絶好の生息環境かもしれないが、ペンションなのだからお客様には快適な空間でなければならない。

そこで、駆除大作戦ではないが、如何にこの不快害虫を退治するかと頭を悩ませる。
夜から深夜にかけて徘徊する、この不快害虫は、朝には建物の壁に数匹張り付いている。

町役場に相談数したが、我が家のある底土地区は少ない方で、島の北側にある永郷地区では一日でゴミ袋に2~3個もとれ、それは朝の掃除が大変らしい。想像を絶する量だ。
町役場のアドバイスに従い、役場で配られる農薬引換券(月に一個)をもって、農協から『コイレット』という農薬を受け取った。
それを、建物の周囲に5センチ幅で巻いておくと、翌日は十数匹のヤスデと他の虫が死んでいた。

そして、その後は確かにヤスデが少々だが少なくなったような気もする。
確かに効果はあるだろう。
しかし、3日後に雨が降った。
1日で100ミリぐらいの降水量であるから相当の雨である。
当然に、翌日はその薬剤の『コイレット』は、ほとんど流れてしまった。
やはり、このヤスデを退治すると云うのは容易ではないし、この薬剤をその度に撒くのは、環境的に決して良いことではないだろう。

この島では、こういった不快害虫の他にも深刻は虫害がある。例えば白アリもそうだ。
シロアリの駆除に関しては島民も相当に苦労しているようで、僅か8300人の島でシロアリの駆除業者が数社ある事からも想像出来る。
しかし、このシロアリ駆除剤はそうとう環境には宜しくない。
元々は1986年頃から有機塩素系のクロルデンが使用されていた。
しかし、人体と環境に影響が大きいということで使用が禁止になる。
かわりに、有機リン系のクロルピリホスという成分の防蟻剤として主流になる。
しかし、これも数年前、使用が不可となり、現在はピレスロイド系の防蟻剤が主流だ。

しかし、これも農薬系の薬剤であり相当の薬害が伝えられるので、最初に1~2年はこれを使って駆除したが、我が家には猫が2匹、それに犬が2匹いて、床下どころか家の四方、周囲に撒くのだから心配である。
その上、撒いている自分でも口の中が苦くなり(勿論、マスクはしているが)、目まいや多少の吐き気もあり、明らかに体調を崩すので止めることにした。

今では、我が家ではシロアリの駆除剤や防蟻剤を使わずに、灯油や廃油を撒くことにしている。
しかし、これらも雨に流され地下に浸透するがのだから、溶岩質の島で多少は濾過されても、海に流れ出ることになる。
これも環境には宜しくない。
ただ、農薬のように人体や生物に強く害をもたらすものではないから、幾分は環境負荷が少ない。
何もしない訳にはいかないから、今のところは最上の方法だろうか。


上記したヤスデや白アリの駆除剤など、その薬剤の主な種類と成分を述べてみる。
農薬と言われる薬剤は大まかに分けて3種ある。
有機リン系、カーバメイト系、ピレスロイド系だ。
その中で有機リン系は環境被害(神経興奮の障害)が特記される、DDT、ピレスロイド系防虫剤・パラジクロロベンゼン、EPN、ダイアジノン、MEP(パラチオンなど)、フェニトロチオン(スミチオン、ガットサイド)、ジクロルボス、メタミドホス、何かと環境被害や人体被害でマスコミを賑わす薬剤が多い。
他にウレタンホーム、エポキシ樹脂、アクリル樹脂など、合成樹脂には難燃剤として有機リン剤が使われている。

カーバメイト系は、ランネートやフェノカルブだが、例の不快害虫駆除剤『コイレット』が、このフェノカルブが主成分だ。
フィノカルブはカーバメイト系の防蟻剤としても多くつかわれたものだが、現在は販売中止になっている。
当然、環境被害や人体への影響が大きかったであろう。
そう考えると、この『コイレット』も、決して安心できる薬剤ではないと云う事になる。

最後のピレスロイド系だが、これは蚊取り線香の原材料である除虫菊で馴染み深いと思う。
それは哺乳類の受容体に対する作用は比較的弱く、人畜防虫剤として古くから利用されてきた。
ただ、皮膚に直接塗布してアレルギーを誘発する例がある。
大量に摂取すると、 紅斑、皮膚炎、などの皮膚症状、気管支喘息、傾眠、血管運動神経性鼻炎、アナフィラキシー反応、吐き気、下痢、耳鳴り、頭痛、情動不安、しびれ、知覚麻痺、衰弱など、神経症状が現れることもある。
重症の場合は呼吸停止から死に至る場合があるらしい。
比較的 に安全性が高いと言っても農薬であるからリスクもあると云うことだ。

いずれにしても農薬は、人体による深刻な影響や環境被害を受け、長年に研究開発され進歩している。
それでも、人間社会には大きな享受の反面で、相当のリスクも伴う。


さて話は戻るが、ヤスデ騒動で配布される『コイレット』だが、フェノカルブが主成分のカーバメイト系農薬であることは前述した。
フェノカルブの毒性については「人体の中毒症状は有機リン系農薬の毒性と類似していて、変異原性は認められないが、動物の胃の中で亜硝酸と反応して出来、発ガン性も疑われています」とある。

ただ、魚毒性A 普通物に分類されるので、
農薬の中でも比較的人畜には安全性が高いと言われ、通常販売される。

しかし、この魚毒性の判定基準も、年々変わってきている。
魚類、ミジンコ類を対象にした試験だが、ともに農薬GLP基準に適合した試験施設で実施され、暴露時間などもS40年当時よりも(48時間)、96時間と遥かに厳しくなっている。
それでも、95%の信頼限界であるから完全ではない。
もっとも、これら薬剤の毒性基準は勿論だが、生物学、環境学自体、試験成果に完全はあり得ないのだから、その判断は難しい。


私も島民の1人として、このヤスデには辟易としている。
もちろん、ペンションのお客様には、より良い宿泊環境を提供したい気持ちも大きい。
しかし、この薬剤をヤスデの完全駆除まで撒き続ける事には、大いなる危惧を持つ。
冗談話になるがお客様には「だから、この島は自然豊かなんです!」と話す。
勿論、他の島民の方も苦慮していると思うが、しかしこの薬剤を各家庭が毎月撒き続けたとしたら、雨の多い島であるだけに、当然ながら海にも大きい影響をもたらすであろう。
ほかにも、多くの農薬や除草剤が撒かれ、雨がある度に地中に浸透し、海に流れ出る。
勿論、家庭で使われる洗剤や漂白剤なども農薬と同じ環境リスクがある。それらも大方は処理されずに流れ出ている。
当然、身近な海も海洋汚染が進み、植物性プランクトンの減少から、動物性プランクトン、海藻類、それを食す小魚、回遊魚、と多くの漁業資源が減少していく。
それは、島だけではなく、日本中、世界中で、これらの薬剤や化学物質が垂れ流されることで環境破壊が起こっているのだろう。

人間生活と豊かな自然との共存が如何に難しいか?と云うことになる。
私たちが、そのことを自覚し、将来にむかって知恵を尽くさなければならない。



もし多少でも、普段使われている農薬や一般に販売される防虫剤などの環境被害に、
興味をもたれる方は レイチェル・カーソン著/青樹簗一訳『沈黙の春』新潮社
ぜひとも読んでいただきたい。 レイチェルカーソンは海洋学者です。

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島に氾濫する化学物質
島には多くの有害化学物質は存在する。

それは、将来的には絶対に解決されなければならないが、かといって、あまり大袈裟にならず、その知識を持つことで、将来的な環境被害を減ずる方向に進むのが現実的だろう。
環境は生活に密着する。日常生活に支障をきたさずに、リスクを取り除いていくことが大事で、それは、これら化学物質に対しての知識が最も重要になる。

まず、一般的に言われる有害化学物質の主だったものを列記し、その主な含有物と毒性を述べたい。


1、カドミウム 

「イタイイタイ病」などで知られるが、女性の更年期以降に発生する骨軟化症も長年の接種から起こると言われている。
一般的に亜鉛鉱石に含まれ、その製造過程の副産物としてできるが、他には、電気メッキ、バーカライジング加工、塩ビ安定剤、レンズ用ガラス、などだが、これらは製造過程に発生する。
それらの製造工場は八丈島にはないことから、それらが含まれた工業廃水なども島にはない。
ただ、防錆剤やカドミウム電池などにも含まれるために、処分過程で発生することもある。


2、鉛

亜鉛精錬や銅精錬の過程で発生するので工業排水に含まれる。
島には、それらの工場はないが、一般的に使われる鉛製品や、無機顔料(おしろいなど)、インク塗装、には含まれる。
鉛製品は、漁具、釣り具、おもちゃ、などに多くつかわれ、欧米では使用禁止する国も多い。
他には船底塗料にも多く含まれ、近年は問題にされる。
鉛の毒性は昔から知られ、急性中毒として人間の健康被害も大きいが、漁具のオモリなどに使われる鉛は、実際には暴露し難く直ぐに健康被害に結びつかないと考えられていた。
しかし、その毒性の強さから、海底に投棄されると岩盤の白化現象や、サンゴ、海藻、に被害を及ぼすなど、多くの環境被害が報告されている。
鉛は、多くの電化製品に含まれていたが、近年は企業の環境姿勢から鉛フリー化が進み少なくはなった。それは、水には溶けにくいと言われるが、近年、酸性雨などで陸上や海底に投棄された鉛が溶解し暴露したケースが発表されているからだ。
パパズインのボランティアで行われる海底清掃だが、多くの鉛製品が処理される。これらの海底投棄に対しての、漁師や釣り人などの環境姿勢が求められるだろう。


3、六価クロム

これも工場発生がおもだが、染色洗剤や塗料にも含まれる。
少量でも水に溶けやすく、皮膚への腐食性潰傷や皮膚炎アレルギー性湿疹が起こりやすく肺がんなどの因にもなる。
工場廃棄物などを野積した状態で土壌汚染が繰り返されると地下水や河川、海などの汚染にもつながりやすいが、処分場などで適正に処理され改善されている。


4、水銀

離島などでは、その環境汚染が最も心配される化学物質だろうか。
かっては苛性ソーダ製造に大量に使われたが、現在でも蛍光灯、水銀灯、電池、バッテリー、温度計、医療品、農薬に使われ、家電や電気機器にも多く使われる。
管理された処分施設以外の場所で、長年山積みにされた状態だと土壌が汚染されるケースも多く、水に溶けやすいために、それが地下水汚染や海洋汚染を招いている。
近年、マグロやキンメダイなどの水銀汚染の例が報告されるが、それは海洋が水銀汚染された一例でもある。水俣病などは水銀が原因物質と言われている。
農薬にも、生物に対して著しく有害な有機水銀化合物が含まれるものが多く、厳しく使用制限されている。


5、ヒ素

ヒ素化合物は硫化物として産出するが、高山や精錬工場の排水に含有されることが多い。
無水亜ヒ酸(白色ヒ素)の白色粉末は極めて有毒で、0.06グラムが致死量である。白アリ駆除剤などにも少量だが使われ、その毒性は強力だ。


6、窒素

有機態窒素、アンモニア態窒素、硝酸態窒素、の3つがある。主に下水処理などで発生するが、その基準に緒って最適な方法を選択することになる。
現在、最も適用されるのが生物学的硝化・脱窒法である。汚泥処理場などで処理される。
リンなどもフォストリップ法などで汚泥処理場で処理されるのが通常である。浄化槽、処理場の設置率が低い国々(島々)ほど適正処理されていない。
他に、PCBや、セレン、シアン、薬品に含まれることの多いフェノール、脱脂剤や溶剤、生ゴム、塗料、ドライクリーニングなどに含まれる、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、塩ビの原料のジクロロエタン、トリクロロエタン、土壌殺虫剤のジクロロプロペン、他にもダイオキシン類など多くの化学物質が氾濫しているのが現状だ。

近年は、健康被害のほかに環境負荷の大きい化学物質には、多くの移動規制や使用規制はあるのだが、それでも一般的に使われ、処理されているものが多い。特に、離島の場合は、環境整備や処分場建設の遅れなどの事情もあって、規制の取り組みが遅れているのが実情だ。
ただ、慌てることはない。その環境思想を高めることで社会が熟成し、将来的に島民の目が環境被害を減ずる方向に向いていくことが望ましいだろう。


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